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会津北部土地改良区の特徴 


大平沼小水力発電所 〜管内施設のすべての電力を賄う〜

概要

大平沼大平沼は、約400年前の地すべりによって濁川が堰き止められてできたものです。昭和42年8月の羽越水害によって堰堤が決壊してしまいましたが、県営災害復旧事業により余水吐、取水塔、放水口等が設置されました。

その後、大平沼は国営会津北部農業水利事業により老巧化した取水施設を改修して、従来60万m3であった有効貯水量を184万m3に拡大しました。

大平沼の取水口と放水口の間に約50mの標高差があり、水力発電に適していることから会津北部土地改良区管内施設の維持管理経費(電力)の軽減を図るため、かんがい用水に従属した形で小水力発電を導入し、平成3年度に大平沼発電所として完工しました。

大平沼小水力発電所は国営かんがい排水事業による小水力発電としては、国内第1号です。


発電事業

大平沼小水力発電所はかんがい用水従属型の発電であり、大平沼の取水塔から導水管を経て放流口から濁川に注水するかんがい用水(Qmax=1.989m3/s)と大平沼の常時満水位保持のため管理放流量の一部を導水トンネル下流で分岐し、水圧管路(φ800mm・L=24.13m)により発電所内の水車に導入して発電するものです。

発電に使用する最大流量は、10カ年の濁川の流況から最も効率的な施設規模を選定し1.60m3/sとしています。
総落差は大平沼の常時満水位(EL449.00m)と発電所の放水位(EL392.20m)から56.80mであり、最大使用水量時における有効落差は46.20mです。

このような最大使用水量と有効落差において最も有利な水車である横軸フランシス水車を設置し、最大出力570Kw(年平均)の発電をおこなっています。

発電機発電所において発生した電気は、専用線により一旦東北電力喜多方変電所に送電し、一般電力となって供給され会津北部土地改良区管内すべての土地改良施設で利用される電力となるのです。

発電所の運転・管理は現地での操作だけでなく、会津北部土地改良区に隣接している中央管理所においても遠方監視自動制御により管理運転しています。


管内最大のゴム堰 慶徳頭首工 〜建設・維持管理負担の軽減・周辺環境・景観への配慮〜

発電機会津北部土地改良区では、平成4年度からゴム堰を導入しています。それまで頭首工の河川ゲートは鋼製ゲートが主流でした。これをゴム製に変えたものがゴム堰です。

※ゴム堰とは風船のようにゴムに空気を注入して膨らませ河川を堰き止める仕組みになっています。

管内で初めてゴム堰を採用することになった慶徳頭首工は、当時主流の鋼製ゲートで造成した場合、建設費は十数億円と試算されていました。慶徳頭首工の造成予定地は河川の幅が135mもあるため、これを堰き止めるためには河川の中にゲート巻上機を設置するためにコンクリート構造物の設置やそれを管理するため河川の上に管理橋を造成しなければならず、周辺への環境・景観へ悪影響や建設造成費用・維持管理コストの面から考えて、何とかできないものかと思慮しておりました。そこでゴム堰を採用することにより、これら問題への解決を試みたのです。ゴム製の堰には鋼製ゲートの堰と比べて様々なメリットがあります。


ゴム堰のメリット

造成時にかかる費用だけでなく、施設を維持していく費用を考えることも重要です。

造りっぱなしはいけません。造った以上は今後管理していくことを前提に造らなければならないのです。

慶徳頭首工の管理棟は、蔵のまち喜多方にちなんで蔵造り風です。これも周辺の景観へ配慮したものです。

管内では慶徳頭首工のほか、平成4年度以降県営かんがい排水事業で造成した諏訪頭首工・堂畑頭首工ではすべてゴム堰を採用しています。現在では全国においてもゴム堰のシェアは増加しているようです。